【共創の課題】
　エヌイーダブリュー株式会社は、自動車内装コーティングのパイオニアとして、高い防汚・防臭・防菌性能を誇る「インテリア・ガード®」を開発した従業員15名の化学品ベンチャー。コロナ渦での衛生ニーズに着目し、少数精鋭で大手企業が手を出さないニッチ市場である抗菌・抗ウイルス機能を持ったコーティング剤の開発で新たな事業の柱を模索していました。

【共創ストーリー】
　知財マッチングを手掛けるコーディネーターから紹介されたのがパナソニックHDの「抗菌・抗ウイルス材料」です。可視光応答型光触媒と亜酸化銅を配合したハイブリッド型の抗菌・抗ウイルス材フィルムは1時間でウイルスを99.9%以上抑制が可能なことから自社の技術との融合を目指した開発を前進させる糸口となりました。

　開発の道のりは決して平坦ではなく、素材の相性や、技術的な課題を克服するための試行錯誤の連続でした。そのような中でも、パナソニックHDはきめ細かな技術支援を惜しまず提供しました。開発担当者が直接ラボを訪れ、特許を含む素材の提供から度重なる材料の改良依頼にも誠実に対応しました。更には大学との共同研究も進めながら新たな可能性を広げて行きました。2年弱に渡る開発期間を経て、両社の技術を結集した抗菌・抗ウイルス機能を持つ革新的なコーティング剤の開発に成功しました。

【共創による成果・今後の抱負】
　パナソニックHDとの共創により、従来にない高性能な抗菌・抗ウイルス内装コーティング技術が誕生しました。一般的な消臭剤が臭いを封じ込めるのに対し、臭いを分解する革新的な技術で、高い菌・ウイルス死滅効果を実現し、豊富なエビデンスに裏付けられた信頼性の高い製品の実現が切り拓かれました。大企業と中小企業の垣根を超えた真摯な技術協力は、知財マッチングという新しい共創の形でイノベーションを加速させる可能性を示せました。
　今後は、パナソニックの保有するネットワーク資産を活用した更なる展開を目指す中、車内に限らず、家庭用家具や医療分野など、用途の拡大も視野に入れています。ファブレス企業として研究開発に特化し、コンパクトながらも世界と戦える技術を持つ事は日本のケミカル企業の新しいモデルケースとなる可能性を秘めています。

【参照/リンク】
■ 共創に活用されたパナソニックの技術
～抗菌・抗ウイルス～
ビジネスヒント集2024～ヒラメキのタネ～
・ 可視光応答型光触媒と亜酸化銅を配合したハイブリッド型の抗菌・抗ウイルス材料

～技術インデックス　Pick up技術～
１時間でウイルスを99.9%以上抑制する抗菌・抗ウイルス技術
https://co-creation.holdings.panasonic/jp/techidx/example/003.html

■ エヌイーダブリュー株式会社様との共創事例
共創事例インタビュー「抗菌・抗ウイルス技術を進化させ、万能コーティング剤の開発に成功！」