共創パートナーインタビュー

実際にマッチングした共創パートナーに
インタビューをした記事を紹介します。

抗菌・抗ウイルス技術を進化させ、万能コーティング剤の開発に成功!

・抗菌・抗ウイルス技術で第二の事業の柱づくり
・わずか1時間で99.9%以上の細菌やウイルスを抑制
・車室空間を超えた事業領域拡大への期待

 写真左:エヌイーダブリュー株式会社 セールス・ディビジョンマネージャー 小林氏
 写真右:PATRADE株式会社 社長 富澤氏
 聞き手:パナソニック ホールディングス 知的財産本部 黒田

01 内装コーティングの革新に挑む

 エヌイーダブリュー株式会社は、自動車内装コーティングのパイオニアとして、高い防汚・防臭・防菌性能を誇る「インテリア・ガード®」を開発した化学品ベンチャーです。海外自動車メーカーだけでなく、国内自動車メーカー5社に純正採用される内装コーティング業界のトップランナーです。
 2020年、知的財産のビジネスマッチング事業を営むPATRADE株式会社 社長 富澤氏より、パナソニック ホールディングス株式会社(以下、パナソニックHD)の「抗菌・抗ウイルス技術」※1を紹介。自社製品の「インテリア・ガード®」や「IGスプレー®」にパナソニックHDの技術を組み合わせ、 開発課題であった臭い成分そのものを分解する特性を持つ抗菌・抗ウイルス・防カビ・防臭・アレル物質の低減を兼ね備えたオールマイティーなコーティング剤の開発に成功しました。様々な製品テストを実施し、新たな「抗菌・抗ウイルススプレー」の製品化を目指しています。

 ※1 1時間でウイルスを99.9%以上抑制する可視光応答型光触媒と亜酸化銅を配合した抗菌・抗ウイルス材料<参照/リンク>ビジネスヒント集2024~ヒラメキのタネ

 パナソニックHDとの連携に関する詳細について、エヌイーダブリュー株式会社 社長 船井氏とセールス・ディビジョンマネージャー 小林氏、PATRADE株式会社 社長 富澤氏に伺いました。

02 第2の柱づくりへのマッチング

(黒田)弊社との共創に至ったきっかけはなんでしょうか?

(エヌイーダブリュー 船井氏)弊社は国内で初めて車の内装コーティングを手掛けたケミカルメーカーです。「インテリア・ガード®」の開発により培ったコーティング技術をベースに、様々なコーティング剤を開発・販売しています。元々は内装コーティングというキーワードで素材を汚れにくくする商品を開発していましたが、だんだんそれだけでは面白くないと感じ、日本の高温多湿な気候に対応するため抗菌・防カビ機能も備えた商品を開発しました。また、ちょうどその頃、コロナウイルスが流行していたため、抗ウイルス機能を取り入れることを考えていました。抗菌・抗ウイルス機能を持ったコーティング剤は大企業が手を出さないニッチな市場であり、車内だけでなくより広い分野にも適応できるなと感じました。そのため、抗菌・抗ウイルス機能を持つコーティング剤を新しい事業の柱にしようと考えました。

(PATRADE 富澤氏)弊社は2012年に特許事務所から分社独立し、知財マッチングを行う別組織としてスタートしました。エヌイーダブリュー株式会社は特許事務所時代からの付き合いがあり、その技術や事業内容、社長の熱意もよく知っていました。「インテリア・ガード®」という独自製品をもつエヌイーダブリューは既に差別化に成功していましたが、さらなる差別化と独占化を図るために、幅広い特許群をもつパナソニックHDの特許活用が最適だと考えました。パナソニックHDの技術は非常に興味深く、またエヌイーダブリュー株式会社の新しい事業の柱になる可能性があると考え、抗菌・抗ウイルス技術を紹介しました。

 写真左:「インテリア・ガード®」を手にするエヌイーダブリュー株式会社 セールス・ディビジョンマネージャー 小林氏
 写真右:開発中の抗菌・抗ウイルスコーティング剤を持つエヌイーダブリュー株式会社 屋良氏

(黒田)パナソニックHDの技術のどこに惹かれましたか?

(エヌイーダブリュー 船井氏)コロナウイルスが流行していた時期に、安全な空間を作れる商品を開発したいと考えていました。パナソニックHDの抗菌・抗ウイルス技術の説明を聞いた際に、特に興味を惹かれたのは、その技術がフィルムに塗り込んで貼る形でしか使用できないという点です。我々の持っているコーティングの技術と組み合わせることで、より使いやすい製品を開発できれば、それが世のためになると考えました。また、それにより我々の技術のアピールするいい機会にもなると考えたため、この挑戦に取り組むことを決意しました。