共創パートナーインタビュー

実際にマッチングした共創パートナーに
インタビューをした記事を紹介します。

03 リアルとデジタルの光

(黒田)当日のイベントの状況はいかがでしょうか?

(吉岡 ブランディングディレクター)せっかくお越しくださるのであれば、香川県民でも知らない人が多い、この地域限定の歴史の話を知ってほしいと思いました。楽しみながら知っていただけるような企画が良いと考えて、源平合戦と石材産地ならではのクイズも取り入れました。

(小島 知財コーディネーター)期間も短く、基本方針や予算が固まっているなかで、このような落としどころになったという感じですね。

(吉岡 ブランディングディレクター)アンケートの結果は、次回もやりたいという方がほぼ100%という結果でした。ただクイズ内容が難しいという回答が散見されました。ややコアでマニアックなクイズが多くなってしまったようです(笑)

(小島 知財コーディネーター)もしクイズを紙でやったら読んでくれない人は多かったと思います。このようなツールを使ったから、目新しさを感じて難しい内容でもチャレンジしてくれた方も多いと思います。

(吉岡 ブランディングディレクター)石の産地ならではの情報も発信することができました。庵治石はクラックが多い石材なので、採石場で発破をかけて巨石を切り出しますが、95-97%は墓石の規格に合わないのです。県民は庵治石自体が高級墓石で素晴らしい石材だということは知っていても、どのようにすごいかを私自身島本さんとお仕事でお付き合いするまで存じ上げなかったので、そういった内容についてクイズを通じて発信できたことは良かったです。

(小島 知財コーディネーター)私自身は(那須与一の)扇の的を射る所がどこなのか存じ上げなかった。クイズの出発点を屋島の戦いの場所にすることで探しにいって由縁を知る、スタンプラリーの仕掛けによって広めるという効果があったと思います。石あかりを見に来た人たちが合戦の逸話や経緯を知るきっかけになり、またこの技術を使うことで頭にすっと入る効果があったのではないかと思います。最初から狙ったわけではないですが、結果として効果があったのではないかと思います。

(吉岡 ブランディングディレクター)クイズができない未就学児童もたくさん来場します。かわいい石あかり作品の横に子供を立たせて、お母さま方が映え写真を撮るのが一般的な楽しみ方です。「撮って!ちょうちんAR」は、小さい子たちに楽しんでいただけるコンテンツがあればいいなと思い、作成しました。

知財コーディネーター 小島氏

ブランディングディレクター 吉岡氏

(黒田)お子さん向けのコンテンツは具体的にどなたがどのようにして作成されたのですか?

(小島 知財コーディネーター)やりたいことのイメージはついていましたし期間も短かったので、お話してどんどん決めて作っていただきました。進め方とマネジメントはどちらかというとパナソニックHDに行なってもらいました。私たちは主に答えをお返しして、パナソニックHDにできる、できない、の判断をしていただき、なんとか間に合ったという形です。

(吉岡 ブランディングディレクター)基本的に島本さんと私でこういうことをしたいという案を出しました。例えば、クイズの回答時やゴール時に音を出したいと思い、対応していただきました。
パナソニックHDには些細な疑問点等に随時分かりやすく説明や解決方法を提示してくれたほか、コンテンツ開催日は率先して現場で運営協力してくださるなど、きめ細かいサポートをしていただきました。
技術知識が浅くとも、初回面談から臆することなく質問できる温和な雰囲気を作っていただき、また約半年にわたるオン/オフラインでの打合せ・メールも迅速に対応してくださったお陰で、初期段階から信頼感があり集中して案策定に取り組めました。

光IDスタンプラリーを楽しむお客様

04 光さす、これから

(黒田)もし今後光ID技術やパナソニックの技術を活用するのであれば、チャレンジしたいことはありますか?

(島本 企画委員長)これから先も去年と全く同じものができるかはわかりませんが、形を変えて携わることができないかということは考えています。駐車場警備の誘導棒に光ID技術を仕込めないかという初期案がありました。光を楽しむイベントですので、もう少し自然に石あかりに取り組めるようにならないかと考えています。スマホを介して情報を得ること+αでなにかをしていきたいです。

(吉岡 ブランディングディレクター)光ID技術はわずかな光源でも反応する夜のイベントと非常に親和性があると考えています。瀬戸内エリアは観光で注目されているエリアなので、県としても盛り上がりを考えています。その一貫としてナイトタイムエコノミーを掲げており、日中だけでなく夜のコンテンツの造成を積極的に取り組んでいます。そこに介入していける技術ではないかと感じています。

(岡本 実行委員長)毎年高松市の大西市長、香川県の池田知事が視察に来られるため、この石あかりのシステムを説明しました。今年は3年に1度の瀬戸内国際芸術祭や大阪万博もあるため、県としては、一人でも多く香川県に足を運んでほしいという意向のようです。今回実行委員会として最もいいことは、15年前に公募でできたキャラクターの石あかりちゃんがほとんど知られていなかったことに気づいたことです。今回はより多くの方に石あかりちゃんの存在を知っていただく機会になりました。

(島本 企画委員長)キャラクターに気づいたのも、スタンプラリーの企画を考えていたおかげです。
 この光ID技術は美術館、商業施設など屋内で使われるのが一般的で、屋外イベントに使われたのは今回が初めてと伺っています。一つ、石あかりロード期間中に走るバスのヘッドライトを読み込むと時刻表がでてくるといったアイデアがありました。できるだけ、委員会の誘導スタッフの負担を減らしつつ、便利に感じてもらえる形で実現できるといいなと思います。

(吉岡 ブランディングディレクター)香川県でも外国人旅行者が非常に増えていて、主要観光地や紙媒体を中心に外国語対応が進められています。一方で、歴史的背景を記した古い観光看板は老朽化等もあり識別できないような形になっている県内の観光箇所も多く、受け入れ体制の整備については、ばらつきがあるようにも感じます。そういったところで光ID技術を使っていけると課題解決ができると思います。